費用について

施設を選ぶとき、いちばん気になることはやはり費用のことでしょう。どんな費用が必要なのか? 退去した場合には、いくら戻ってくるのか? 入居後に後悔しないためにも、費用のしくみをきちんと理解しておきましょう。

入居にかかる費用は、入居一時金と毎月の利用料です。またそれ以外に、交際費や医療費、紙おむつ代などの諸雑費がかかります。施設を選ぶ前には、まず入居費用のしくみをしっかり理解し、入居前に支払う「入居一時金」と入居後に毎月支払う「月額利用料」の二つに分けて、資金計画を立てることが大切です。

入居一時金

専用居室や共用スペースを利用する権利を取得する費用。

基本的には、家賃相当額の前払いという考え。金額はホームによって数十万円~数千万円とさまざまで最近では、「入居一時金なし」という施設もあります。

入居一時金には償却期間があり、施設によってさまざまだが、数年~20年位が一般的です。償却期間が過ぎても、月額利用料を支払えば、基本的にはホームで生活し続けることが可能。しかしホームによっては、新たな契約が必要になる場合もあり、入居前に必ず確認が必要です。

月額利用料

管理費や食費、水道光熱費、人件費など、毎月支払う費用として設定されている利用料。

料金設定や内訳などは、ホームによってそれぞれ異なります。諸雑費などは、使った分だけ別途徴収されるホームもあります。また入居一時金を低めに設定して、家賃相当額を月額利用料として徴収する施設もあります。

介護サービスを受ける場合は、介護保険の特定施設入所者生活介護または在宅サービスの一割を自己負担金として支払う必要があります。その他に、介護費を別途徴収する施設もあります。介護専門室や系列施設に移転するときに、料金が発生する場合がありますので、事前に確認しましょう。

一般的な有料老人ホームの費用計算方法【終身利用権方式の場合】

入居一時金 家賃額相当(※月額利用料に含まれる場合もある)
月額利用料 管理費
食費・水道光熱費・人件費など(※家賃相当額を含む場合もある)
その他 介護保険サービス(限度額に1度)
介護保険対象外の介護サービス代
おむつ代・電話代・新聞購読代
嗜好品代など

介護サービスの自己負担金【参考】

介護付有料老人ホーム 月額:約7,000円~約25,000円(※要介護度によって異なる)
住宅型有料老人ホーム 月額:約6,000円~約36,000円(※要介護度によって異なる)

返還金制度について

「返還金制度」は、入居一時金の償却期間内に施設を退去したとき、未償却分の入居一時金が返還されるシステム。

入居一時金は、施設に入居したときに初期償却分として何%か差し引かれます。初期償却は約15%くらいですが、施設によって異なるので、入居前に確認が必要です。また、一日でも入居すれば初期償却として差し引かれてしまうので、注意が必要です。

「返還金制度」は施設によって異なりますが、償却期間内に退去する場合、一般的には初期償却分を差し引いた残額が月割りで返還されます。返還金の戻される期間も確認が必要です。